「カマルグ牛は神様というよりスポーツマン!」
– 後進育成に力を注ぐアルル・ラズトゥール学校の指導者ジェラルド・ラドさん
今日は壁越えの練習や、車輪を牛に見立てアトリビュを取る練習をしました。生徒のうちラズトゥールになれるのは全体の5%。デビューできる子は早くて16歳、平均で18歳から闘技場に出ます。速く走れなくなったら危ないので、35歳位で引退します。私は16歳でこの道に目覚め、18歳でラズトゥールになり、32歳まで現役でした。スポーツだからあくまで仕事や学業の合間に活動する趣味です。
カマルグ式闘牛の学校が各地にあり、生徒は500人位います。ラズトゥールとして登録される選手は約150人。ラズトゥールになるには牛好きが絶対条件。そして体格も大事ですが、怖がらなくて練習をしっかりする人。カマルグ牛は尖った角を持つ野生に近い牛。でも練習を積み重ね、牛の動きを学ぶことで、危険を小さくできます。
カマルグ牛は人気者になれば神様のように崇められますが、私はスポーツマンだと考えています。彼らは5歳位でデビューし15歳位まで活躍します。現役時代が短いのは人間と同じ。現在は伝統を伝えるのが難しい時代で、闘技場に足を運ぶ観客も減少気味。若い観客が増えてほしいのですが、今は大人が危険だからと子供に闘技場に来させないこともあるのが心配。若い世代が来ないと伝統は途絶えてしまいますから。
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左から:
アントニーくん (7歳)
牛は強くて大きくて可愛いから大好き。実際にやると難しいよ。僕のママは心配そうだけど、ダメって言っても僕はラズトゥールになるんだ。
クレマンくん (7歳)
学校の友達も一緒にやっているから楽しい。家族でもやっている人がいるから、僕もやりたいって言った。家族はみんな応援してくれるよ。
グレゴリーくん (14歳)
カマルグ式闘牛は僕のパッション!動物と人のコラボレーションが気に入っている。コリーダは人間が格好つけすぎさ。一度牛から逃げるのに失敗して怪我したよ。怖い時もあるけど深く考えないようにしてる。
ヤニスくん (16歳)
なぜカマルグ式闘牛が好きかは言葉で説明できないけど、気持ちが高ぶるんだ。アトリビュをとった時は最高の気分さ!牛は怖くないよ。闘牛と違ってスポーツなのがいいと思う。牛を殺すなんて僕は嫌だな。