環境ジャーナリスト、ドミニク・マルタン=フェラーリさん(写真)は、気に入った記事を投稿できるソーシャルネットワーク「Scoop it」に紹介した記事のせいで、ヴァンサン・ボロレ率いる複合企業 「ボロレグループ」から名誉棄損罪で訴えられた。訴えられたのは、記事を書いたウェブマガジン「バスタマグBastamag」の記者3人と当時の発行人だけでなく、ドミニクさんと同じように、記事のリンクを掲載しただけのウェブマガジ「Rue89」の発行人と、記事を引用・転載したブロガー3人。問題の記事は、2012年10月にバスタマグが掲載した 「ボロレ、クレディアグリコル、ルイ・ドレフュス:土地買い占めのチャンピオンの仏企業」で、これらの企業がアフリカ、アジア、アメリカ大陸で農地を買い占めて集約的農業を行い、環境破壊などを起こしているという内容だった。
2月11日にパリ軽罪裁判所で行われた公判には、被告を支援するNPOの人々が詰めかけた。ボロレグループの訴えはプレスの口封じで表現の自由の侵害だとして、ドミニクさんが加入している2つのジャーナリスト協会も支援を表明した。ドミニクさんの弁護士は、元環境大臣のコリーヌ・ルパージュだ。「自分が書いていない記事で訴えられた。勝って、今後同様の裁判が起こらないよう判例になることを望んでいます」とドミニクさん。判決は4月7日。(羽)