ブルゴーニュ地方の入り口、白ワインの銘品「シャブリ」で有名なヨンヌ県。その中心都市がオセール(オクセールとも言う)。歴史ある旧市街と美味しいワイン、ウォッシュタイプのフロマージュなどが特産品。サッカー好きは、「キング」エリック・カントナの出身チームとしてその名を記憶している人も多いだろう。パリから電車に揺られて1時間半。夏の陽射しに誘われて、ぶらりと出かける日帰り旅に。
ヨンヌ川にかかる橋から、絵ハガキのように美しい街並みが見える。15世紀に建てられた時計塔や、美しい木組みの家々。希少銘柄のブルゴーニュワインや、これからの季節さらに美味しくなるフロマージュを求めて出かけよう。(高)
チーズは写真左上より時計回りに、サンフローランタン:ごく浅い熟成が特徴。しっとりなめらかでほどよい酸味。シャロレ:円柱状の固めのヤギチーズ。濃く深い味わい。アフィネ・オ・シャブリ:シャブリワインで洗いをかけた熟成ウォッシュ。どろりと溶け出す中身。くさくて旨いチーズの極み。塩味しっかりでワインが進む。スーマントラン:まろやかでフレッシュだけどコクがあり、口に含むと広がる香りは余韻も長い。ヴェズレー:小さな半球状の形が特徴の地域特産のヤギチーズ。まったりとした味わい。アベイ・ド・ラ・ピエール・キ・ヴィール:有機栽培を行う僧院のフロマージュ。なめらかでさっぱりとした後味。もちろん、地元のワイン「サン・ブリ(5.8€)」と、「イランシー(8€)」で乾杯!
●L’Asperule
今年4月にオープンしたばかり。店名のアスペリュールは、純白の花が咲く甘い香りのハーブ。家族の豊かな暮らしのためにもこの場所に店をかまえたと語る、シェフの木村圭吾氏。アヌシーの3つ星マルク・ヴェラやジョエル・ロブションなどでも活躍した実力派。手が込んでいて、ごまかしがない極上フレンチでシッカリと味が決まっている。早くも地元の食通やパリの情報通が駆けつけ、この店の開店で街が活性化しそうだ。サービスの鈴木氏はフロマージュの達人。グジェールにスーマントランを溶かしたアミューズ・ブッシュも絶品。ランチコース29€、夜のコース55€。この店のためだけに行く、その価値がある。
34 rue du Pont, Auxerre 03.8633.2432
www.restaurant-asperule.fr
12h-14h/19h-21h。日月休。
●Marché
マルシェは旧市街の西、Bd Vaubanと、Av. Fochの交差点。毎週火曜と金曜に催される。新鮮野菜はもちろん、美味しい地ワインや絶品フロマージュの宝庫。
この市場で必ず訪れたいのは、オセールの旧市街にも店舗がある、1933年創業のフロマージュリー。美味しいフロマージュは信頼できるこの店で必ず手に入る。マダムにちょうどよい熟成加減のものを選んでもらうのが一番だ。また、シャブリ村にお店がある5Aのアンドゥイエットが名物の Charcuterie Colinも大人気。さらに、無農薬農家のモニック・ルノーさんのお店では、目を疑うような巨大クルジェットが。
*Fromagerie Paquerette Soufflard
23 rue Joubert, Auxerre 03.8652.0707
朝は8hか8h30から。お昼休みが長めで、午後は15hか16hから19h迄。日月休。
●オセール
サン・テチエンヌ大聖堂と、サン・ジェルマン修道院では、フレスコ画のある地下聖堂crypteをのぞいてみよう。ポール・ベール橋のたもとには、木陰のテラスが気持ちいいカフェ〈Au 87〉があり、地ビールも楽しめる。8月は市内のバーで、 毎日21時から無料コンサートが企画されている。
パリ・ベルシー駅から約1時間半。片道28.3€。乗り換えが必要な列車もあるので要注意。TERブルゴーニュが発行する1年間有効のラ・カルト・ブルゴーニュ・リベルテ(34€)を駅窓口で購入すると、平日は運賃25%引き、週末は半額になる。
Office de tourisme(観光局)
1 quai de la République 89000 Auxerre
03.8652.0619 www.ot-auxerre.fr
L’Asperule
Marché