サンテチエンヌSaint-Etienne市は、2009年に創立された著名なデザイン高等専門学校があり、デザインに力を入れている町だ。2年毎に開催される〈サンテチエンヌ・ビエンナーレ国際デザイン展〉は、展覧会場に留まらず、町全体のあらゆる場所がデザインで溢れる。
こうした背景を基に、2010年以降サン テチエンヌからデザイン界に新風を吹き込んでいるのは、デザイナー集団の〈ÉSÉ〉。〈ÉSÉ〉のクリエーションは、オートクチュール感覚で、現在の時代を反映し、「美、実用性、詩的さ、遊び心、そして、上品さ」にあふれるオブジェ。フランスの職人たちの熟練されたテクニックとのコラボレーションから生まれている。
チュイルリー庭園で開催された『Jardins, jardin』に展示された〈ÉSÉ〉のデザイナー、ジャン・セバスチャン・ポンセの手になる『Les Animali Domesticki』シリーズは、カラフルなカラーのスチール製オブジェだ。雄ウシ、雌ウシ、牡ジカ、牝ジカの動物シリーズは、ミニマリズムの中に詩的さが強調され、さらにオブジェを取り巻く環境の中で、時には椅子、時には出会いの場所、時にはその場所の風景の一部となり、都市の風景の中で多様に変化していく。デザインとアート、座ることと彫刻が混合してしまうようなスタイルのクリエーションだ。(苗)
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