大気汚染対策に 運転制限日設定は有効か!

 昨年末、フランス環境相は、大気汚染対策として「2014年度より、汚染度が高い日は自動車運転制限日を設け、2台に1台の車を走行禁止」という法案を打ち出した。
 実はこの政策は、過去に1回施行されている。1997年10月1日、末尾が偶数ナンバーの車は走行禁止とされ、警察官が厳しく取り締まった結果、汚染度は15%減少した。
 この時はオゾン層保護の名目であったが、今回は汚染を引き起こすとされている微粒子や窒素酸化物などがターゲット。昨年末、フランス全土76の県において大気汚染警報日が報告されていて、中でもルーアンの人口密集地域では、大気汚染警報日が平均して1年に1回ほど、2012年には5回も記録していることから第2回目の施行がささやかれてはいるが…問題は山積みである。
 まずは、対象となる車種の分類が必要だろう。近年ではエコカーも普及し始めているので、1997年のように「偶数ナンバーがすべてダメ」とは言えなくなる。また一家族で偶数・奇数ナンバーと2台所有しているケースもあるし、不公平だとやっかむ輩(やから)も当然出てくる。施行区域についても不透明で、例えばパリなら環状線区間など設定は簡単にできるが、ルーアンのように一般道しかない場合の設定は難しい。そして何よりも、働く市民の足はどうなるのか?という問題がある。
ある巨大企業では、職員の半数以上が通勤距離30km以上というアンケート結果が出ている。移動手段はほとんどが車だ。
 この日に限り公共交通機関を無料にする案もあるが、現実的な話し合いは今のところ皆無。日本から来た筆者からすると、この実現はそれほど難しくなさそうに思える。例えば東京でこの政策を行ったら、それほど混乱は起こらないのではないだろうか?
 しかしフランスは車社会。一番の難関は国民の意識改革なのかもしれない。(和)