トム・ディクソンのインテリア

© Thomas Duval
© Thomas Duval

 

 1980年代に、センセーショナルな作品でフランスのインテリア業界に新風を吹き込んだデザイナー、フィリップ・スタルクだが、こんな彼の作品が後世に残るのだろうか?  という疑問が残っていた。ところが、クリニャンクール蚤の市に開店したレストラン〈ma cocotte〉の、彼が手がけた内装を見た途端、その疑問は一掃された(オヴニー732号)。

 同じように、2014年最も注目されている、イギリス人のアートディレクター兼インテリアデザイナー、 トム・ディクソンに抱いていた偏見も、昨年12月パリ15区のボーグルネルのショッピングモールに開店したブラッスリー〈Eclectic〉の扉を開いた途端に、消え去ってしまった。〈Eclectic〉のインテリアにトム・ディクソンを抜擢したのは、やはり〈ma cocotte〉のインテリアにスタルクを起用したレストラン実業家アムザラック夫妻だ。
 〈Eclectic〉は路面に面した300m2のスペースを持ち、壁、テーブルは真鍮(しんちゅう)、124個のメタルシェードが揺れ動くシャンデリア、さらに木、メタル、石、多種の色合いの皮など、さまざまな素材が、70年代の幾何学的で、ユニット式コンセプトのフォルムと見事に調和している。ガラス張りの外壁からの光も心地よい空間を生んでいる。
 スタルク同様、独学のトム・ディクソンは、「発見し、常に実験することによって、子供の視線を忘れないようにしている。あらゆる知識を持たないことは、逆に、僕を最大限の良い仕事ができるようにと仕向けてくれる」と語る。(苗)
ECLECTIC : 2 rue Linois 15e 01.7736.7000
www.restauranteclectic.fr