「遅い出発だが、養殖業者になれるように挑戦したい」
研修生エリックさん。
56歳で、ただ今研修中というエリックさん。元々は化粧品会社に勤める役員職であったが、会社がアメリカ企業に買収されてしまい、その後、退職させられる。そして求職中にインターネットで見つけたのが、ジョエルさんの養殖場。「遅い出発ですが、近くの出身なので、人生の賭けだと思って、コンタクトしてみました」と語るエリックさん。ジョエルさんの定年後は、彼が6月からこの養殖場を担う予定だそうだ。
売り子シャンタルさん。
ジョエルさんの奥さんで、作業場脇にある直売店の売り子を務めている。「フランスでは法律で、カキのサイズを分別して売ることになっています。サイズが大きいほどナンバーが小さくなる、というのは少しややこしいですね。うちのブロンは最高ですよ!」と大きな笑顔。
カキ開け職人のクリステルさん
俳句の冬の季語に「牡蠣割女(かきわりめ)」というのがあるが、パリのワインバー〈Le Baron Rouge〉のカキ開け職人は、クリステルさん。この店は20年以上前から、10月半ばから4月末までカキ養殖業者に直販を頼んでいる。彼女は週末屋外でカキを開け続け7年目。業者は店と契約し、彼女も店から雇われている。底厚の靴を履き、時に体を温めるワインを片手に、ピーク時は休みなしの作業だ。道具を駆使するため指の指紋が消えてしまうという。手は赤く、荒れるが、ハンドクリームを付けるのは極力避け、手の皮を頑丈にさせる。寒い中の大変な作業だが、客とのコミュニケーションが魅力で止められないという。
Le Baron Rouge : 1 rue Théophile Roussel 12e
カキは、土10h-22h、日10h-16h。N°3なら6個11€。