9月5日付レゼコー紙によると、政府は一般会社員の共同補足医療保険(共済組合など)加入に関し、被雇用者負担分が所得税から控除される措置を2014年度から廃止する意向らしい。雇用者負担分に関して社会保険料が一部免除されているので二重に優遇されているというのがその理由だ。これで年10億ユーロの歳入増になるという。
さらに、中等教育(中学・高校)と高等教育を受ける子どもを持つ世帯に対し、所得税額を子ども一人につき、学齢によって61〜183ユーロ減額する措置も廃止する意向だそうだ。国庫にとって4億4500万ユーロの節約となる。所得税を課税されない低所得世帯が恩恵を被らない点でこの減額は廃止可と判断されたためだ。こうした措置は該当する世帯にとっては実質的には増税となるわけだが、新税設置よりは受け入れられやすいと政府が判断したためだ。
このほか、付加価値税(TVA)率引上げ、所得税率区分の上限の引下げなど一連の措置で政府は14年度で140億ユーロの財政赤字を解消できる見込み。政府が次年度は新たな増税はないとしているのは、明るいニュースというべきか。(し)