「弁護できない被告を扱う弁護士」として知られるジャック・ヴェルジェス氏が8月15日、パリで急死した。享年88歳。同氏はタイで生まれ、海外県レユニオン島で育った。欧州や北アフリカを訪れる一方、仏共産党に加入し(後に脱退)、後にカンボジアで大虐殺を起こすポルポトと親交を結ぶ。1955年に弁護士となり、57年にアルジェリア民族解放戦線の活動家の弁護をしたことをきっかけに、アフリカ諸国の政治家との親交を深めた。その後、ソ連や中国、カンボジアに滞在。優秀な弁護士だったが、国際テロリストのカルロス、リヨンでゲシュタポの治安責任者としてユダヤ人虐殺を指揮したクラウス・バルビーらを弁護し、挑発的な発言で非難を浴びることも多かった。