4月から5月にかけて、気温が低く雨ばかり降っていたので、サクランボが熟するのが遅れていたが、ようやく出回りはじめた。フランスでは南西部で栽培されているが、50%以上がビュルラBurlatという、大きめで深紅のサクランボ。身も深紅。最近、日本の代表的な品種ナポレオンNapoléonも見かけるようになってきた。グリオットGriotteという小さな酸っぱいサクランボもあるが、これは主にホワイトリカーに漬けられて甘い食前酒になる。サクランボはそのまま食べてももちろんおいしいが、甘みが薄い時はシロップ煮がおすすめ。そのシロップまできれいな赤色になる。サクランボを使ったデザートといえば、なんといっても、卵、牛乳、小麦粉をミックスした生地と焼くクラフティ。バニラの香りが決め手だ。チョコレートと一緒のケーキといえばLa Fôret-Noire。甘酸っぱく漬けられたサクランボは、カモやジビエの料理の味を引き立てる。またキルシュやギニョレなど、数々の蒸留酒や食前酒の原料としても用いられている。