映画の中の、こんなパリが大好き。

賭博師ボブ/ポンヌフの恋人

Bob le flambeur
Bob le flambeur

 

Bob le flambeur
賭博師ボブ 1955
 右から左へとゆっくりパンされるカメラが、サクレクール寺院の丘の上から見える夜明け前のパリをとらえる。それに「夜から薄明に移っていくわずかな時間のはざ間で、賭博師ボブの物語が始まる」というナレーションがかぶる。サクレクール寺院がそびえ立ち「モンマルトルには天国と…」、丘を下るフニキュレールが映り「地獄がある」。そしてカメラはピガール広場(写真)へ。
 今も存在する薬屋前を歩いていく若い女、アンヌ。夜通しの賭博に負け、ピガール広場に出ていく50過ぎのボブ。散水車が水をまいていく…。ジャン=ピエール・メルヴィルが1955年に撮った『Bob le flambeur  賭博師ボブ』の導入部だ。ジャズのバラードのようなリズム感! モノクロの高感度フィルムで、まだ薄暗いピガール街の息づかいをとらえたのはアンリ・ドカエ。数年後ドカエは、トリュフォーの『大人は判ってくれない』を撮ることになる。
 おしゃれで人情に厚いボブ(ロジェ・デュシェーヌが渋い!)だが、賭博の魅力にはかなわない。それがラストの鍵になるのだが。そしてボブが息子のようにかわいがっているポロはアンヌの肉感的な魅力のとりこになってしまう。そんな彼らは、ネオンの光を映す夜の街を徘徊し、キャバレーの喧騒にまぎれ、タバコの煙がこもる賭場に出かけていく。まだ観光客も少なく、ましてBOBOの影もなかった、1950年代のピガールがこの映画の中におさめられている。(真)

Les Amants du pont-Neuf  
ポンヌフの恋人 1991
 久々にこの『ポンヌフの恋人』を観て、レオス・カラックスは永遠に少年の心を持ち、男女の、理想の愛の形を追い続けているのだ、とあらためて新鮮な感動に打たれた。『ボーイ・ミーツ・ガール』、『汚れた血』から同じ役者を主人公に起用して作品を撮ってきたカラックスが、南仏モンペリエ市近くに実物大のポンヌフという巨大なセットを作って挑んだという、初めての大作がこの作品だった。けれども撮影は様々なハプニングに見舞われ、興行的にもいまひとつ、前2作には及ばないという批評が多く、残念な結果に終わった作品だった。
 ジュリエット・ビノシュが演じる、不可解な病を抱え失明寸前のミッシェルという良家出身の娘と、ホームレスとしての生活をいつから続けているのかも不明な、謎めいた青年アレックス。このアレックスはカラックス映画に欠かせないドニ・ラヴァンが演じている。ミッシェルとアレックスが出会い、恋人として結ばれた後に、別れを迎え、そして再び結ばれるまでの経緯が描かれていく。
 私の記憶に残るのは、地下鉄モンパルナス駅(写真)での追跡シーン。元恋人であるチェロ奏者ジュリアンの存在を察知したミッシェルが突然走り出すと、内緒で彼女をつけていたアレックスも同時に走り出す。全力で走る二人を追うカメラワークが、元恋人を取り戻したいミッシェルと彼女を何としても手に入れたいアレックスの心の動揺と躍動を見事にとらえている。(海)
Les Amants du pont-Neuf

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