1860年から1914年まで、産業革命を経て工業化されていくサンティエンヌ周辺の写真を2万枚以上撮ったフェリックス・ティオリエ。本業はリボン製造の実業家。会社設立12年後に本業を辞め、地元の文化遺産、自然遺産を知らせようと、美術と考古学に専念した。山頂に女性が後ろ向きに立っている、カスパー・ダビッド・フリードリッヒの絵のような風景、ターナーのような空が広がる水辺の風景、炭鉱地帯の陰鬱な空と建物。作品から抑えた詩情と感情が立ち上る。地味ながら掘り出し物の展覧会。
3/10迄(月休)。
オルセー美術館