ナチュラルワインには、ナチュラルワインならではの微妙な味わいがある。

ローヌ川に沿ったタヴェルで作られている ナチュラルワイン〈アングロール〉。
ローヌ川に沿ったタヴェルで作られている ナチュラルワイン〈アングロール〉。
 ナチュラルワインを出すバーやレストラン、ナチュラルワイン専門のワイン屋さんも増えてきている。まだナチュラルワインを一度も試したことのない人も、少しずつ親しくなるいい機会だ。
 〈BIO〉認定の表記が付いているワインがあるが、それは有機栽培のブドウを原料にしているというだけで、ワインの熟成過程をまったく考慮していない表記。だから熟成過程で酸化防止剤、あるいはアルコール度を高くするために糖分が加えられたりしている可能性もかなりあるのだ。それに引き換え、ナチュラルワインというのは、熟成過程で、酸化を防止したり熟成をストップさせる二酸化硫黄などを一切加えてないものを指す。ほとんどのナチュラルワイン生産者は、ブドウが育つ風土や土壌を大切にし、収穫も月の暦に合わせたりとブドウの力をとことん引き出すことに力を入れる。そこで、ボージョレ産の赤ワインに使われ、フルーティさのもととされるガメー種のブドウを使ったワインでも、ナチュラルだと、あっと驚くようなこくがあったりする。
 ナチュラルワインは、基準をまったく別にするAOC(原産地統制名称)を無視するものも多く、単に〈vin de table〉〈vin de France〉という表記だけのものが多い。また〈La Vierge Rouge  赤い処女〉、〈Bottle Neckボトルネック〉、〈Le Temps de cerisesサクランボの実るころ〉といったユニークな名前のワインも多いから楽しい。
 栓を抜いて、さあ匂いは、と鼻を近づけると、まだ熟成が止まっていないから、時々どぶのような、いやな匂いがする。グラスに注ぐと軽く発泡したりする。ナチュラルワインは若いものが多いが、やはりきちんとデカンターに入れたい。そうすると嫌な匂いも余分な発泡も消えていくだろう。それに、飲んでいる間にも少しずつ変化していく風味が、味わいやすくなる。微妙な変化に富んだ味わいのナチュラルワインと友だちになってみよう。(真)