本国日本での公開から一ヵ月、早くもフランスで一般公開を迎えたのが本作。
物語は人間とオオカミのハーフの子、雪と雨を育てる母親・花の13年間の記録で、中学生になる娘・雪の回想という形で、情感たっぷりに綴られる。「子育て」という日常と「オオカミ男」というファンタジーが意外なほど溶け合う様が見事。オオカミ子どもが雪の中を走り抜ける疾走感や浮遊感、自然へのリスペクトは巨匠・宮崎駿を彷彿させるが、『サマーウォーズ』など独自の名作を放つ細田守監督はジャパニメーションの新たな地平を目指しているようだ。宮崎あおいの甘い声が堪能できるオリジナル版(VO)での鑑賞がお薦め。対象年齢は6才~。(瑞)