学年末のイベントや習い事の発表会。フランスの小学生の6月はとりわけ忙しい。親は子供の姿を残そうと、カメラ片手に右往左往する。そして耐久マラソンのような日々が過ぎれば、2カ月丸ごと夏休みだ。宿題がないので親としては「遊び過ぎ?」と少々心配。でもミラによると「9月は新しい先生がくるから、宿題を直すのができなくなっちゃうからしょうがない」のだとか。そう主張するミラは嬉しそうだ。
目下、私たちは夏休みを利用し地方都市に滞在中である。私は旅先では最大限に名所観光をしたい派なのだが、ミラはのんびりリズムを好む。そして旅の合間に読書や数独(ナンプレ)、クロスワードを楽しんでいる。これは単に性格の違いだけではなく、バカンスが短いから積極的に観光をしたがる日本人と、家族と暮らすように過ごす滞在型バカンスが主流のフランス人との感覚の違いもあるのだろうか。旅先まで来てパズルに興じるのはもったいない気がするし、頭も疲れそうなものだが、ミラは「集中してると何も考えないし、いろんな悪いことも忘れるからça me repose(休まる)」と言うのだった。
さて本連載も今回で最終回。ミラも今や私と同じ靴を共有できるほどに成長しました。「オヴニーのミラちゃん?」と声をかけられることも多く、励みにもなりました。駄文にお付き合い頂いた皆さま、Merci et à très bientôt!(瑞)