パリから車で約2時間半。ノルマンディーの海に面したSaint Valery en Cauxは、エトルタとディエップの中間に位置し、風光明媚(めいび)な穴場の海水浴場として知られる。この地方独特の石灰岩の崖が切り立つ海岸線にある小さなビーチと港には、のんびりとしたリゾートの時間が流れる。
ここでぜひ訪れたいのが、地元の漁業組合に登録された漁師たちが船をQuai d’Amontに横づけして開かれるマルシェ。毎日その日の朝に獲れた新鮮な海の幸が満載だ。つい今しがた船から降ろされた魚やイカ、そして立派なカニがたくさん! 待ちかねていた人々の手にどんどん渡って、あっという間に売り切れてしまいそう。そこで、パリでは考えられない激安の大きな甲イカを仕入れ、埠頭で早速刺身にして頂きます。
甲イカはスミが多いことで知られるように、うっかりスミ袋を破ると、もう辺り一面真っ黒に。気を取り直して、甲イカといわれる所以の大きく固い甲を取り除き、丁寧に薄皮を剥がして持参のしょう油とわさびでいただきます。香り高くねっとりとしたイカの甘みに、もう至福のひととき。同行したフランス人の友人も、初めて食すイカ刺しの美味しさに舌を巻く。とっておきのワインを持参してぜい沢な逸品を堪能する、この夏オススメの穴場スポット。毎年11月にはとれたてのニシンを豪快に味わう、ニシン祭りも開催される。(高)
漁師のおかみさんたちが取り仕切る港の朝市。その日の穫れたてが格安で。
持ち帰り用にクーラーボックスをお忘れなく。カモメたちも、おこぼれを虎視眈々(こしたんたん)と狙っている。
◆サンラザール駅からSNCFで Yvetotまで約1時間30分、YvetotからバスでSt Valery en Cauxまで約1時間。
1日5本ほどのバスに乗り継ぎできる列車がある。車ではA13でRouen方面に進み約2時間半。小さな港の素敵な町。
豊富なイカスミでのパスタは絶品。
定番イカスミのパスタは、新鮮な肝も加えるのがポイント。パスタはゆですぎないよう、固いうちにお湯から上げて、イカスミソースと共に少し煮込むとこの色つや!
ゲソはサッと炒め新鮮な肝のソースで。
食べやすい大きさに切ったイカゲソは、ぬめり気がなくなるまで塩でもみ洗いを繰り返す。最後にキッチンペーパーで水気をよーく取るのがポイント。よく熱したフライパンに少量のサラダ油をひいて、さっと炒めたら、新鮮な肝と日本酒、塩を加えてよく和える。しょう油を少々、コショウも少々、最後にバターを加えれば、アルザスの白やプロヴァンスのロゼにぴったりの味。
協力:Ritsuko
料理コーディネーター里津子さんの楽しい料理教室の詳細はこちら
Restaurants
-La Boussole
かわいい外観と室内テラスが気持ちいい港のレストラン。水〜日 12h-21h30。
1 rue Max Leclerc 02.3557.1628
-Restaurant du Port
漁船直送の新鮮魚介が自慢のレストラン。値段は少し高めだけれど、手の込んだ作業とこの鮮度なら納得。
18 quai d’Amont 02.3597.0893
●Hôtels/Camping
-Hôtel du Casino***
モダンで快適なホテル。67€〜148€。
Port de plaisance 02.3557.8800
-Hôtel Henri 4**
手頃な料金のプチホテル。42?〜78?。
16 rue du Havre 02.3597.1962
-Camping d’Etennemare****
Rue du Hameau d’Etennemare
02.3597.1579