フランスの貿易赤字が過去最高になったと前回書いたが、武器輸出の方は快調なようだ。最近、国防省軍需総局が発表した2011年度の武器輸出高(予想)は2010年から27%も増えて65億ユーロに上った。2010年は51億ユーロと不調だったものの、2011年にはロシアへのヘリ空母BPC、インドへの戦闘機ミラージュ2000売却、今年1月末にはインドの戦闘機126機購入の入札をラファール機がものにし(総額90〜100億ユーロ)、好調だ。
ロラン・コレ=ビヨン軍需総局長は、直接雇用5万、間接雇用5万を擁する軍需産業の重要性を強調し、軍需総局が同産業に開発・生産費として2011年に107億ユーロの投資を行ったと上記記者会見で明らかにした。世界の武器輸出のシェアは2005〜09年で、米53.7%、英12.5%、ロシア8.2%、フランス6%、イスラエル5.3%。し烈な競争の中、韓国、中国、トルコなどに追い討ちをかけられ、フランスは第4位の座を維持しようと必死だ。軍需産業はまさにこの国の戦略産業なのだという思いを新たにした。(し)