典型的なパリのハイブリッドな二人だ。4区で育った日仏ハーフ(母親は70年代に来仏した画家)のヨアケさんと、2区で育ったユダヤ系の母とカトリックの父を持つジュニョールさん。
3年前、友人宅でのパーティーで出会った。それからさかのぼる半年前に、互いの写真を見たことがある。「私は青いひとみで栗色の髪が好き。彼はジプシーみたいだから問題外だった」と彼女。一方、ジュニョールさんは「カワイイコだけど、女性は周りに山ほどいる」と言い放った。ワイルドなヴァンサン・エルバズを思わせる189cmの色男だ。
その後、友人宅で対面の瞬間、「この人しかいない!」と直感が働いた。二人には意外な共通点も。ヨアケさんは15歳でバカロレアを取得し法学部に進むが、すぐに方向転換。16歳からEcole Hôtelièreに通う。ジュニョールさんは16歳で学業をドロップアウトし、演劇の道へ。彼の母はサンチエの仕立屋。彼女の父はサンチエのユダヤ系業者の問題を扱う弁護士だった。
2010年、TVの料理選手権で活躍した彼女は、その美貌と才能を買われ、新しい旅行番組のプレゼンターに抜擢される。同時にJrさんは「オレの役者人生より彼女が大切」と、その番組の演出家になってしまった。同年結婚。今月末、娘が生まれる。
プライベートも仕事も一緒なのは、どんな心境だろう。「彼女は現場では別人になる。状況で立場が逆転するんだ」。各国へロケ撮影が続く毎日。どの国でも物おじせず、リラックスした雰囲気をつくるジュニョールさんを、彼女は全面的に頼りにしている。一方、プライベートで主導権を握るのはヨアケさん。ユダヤ的過保護な母をもつジュニョールさんには、ヨアケさんの世話好きで、肝っ玉母さんの気質が性にあう。
「理想のカップルは両親」とヨアケさん。40年以上も愛を貫き、家族のために、いつでもどこでも駆けつけてくれる。娘の料理教室には、生徒として参加してくれるほどである。赤ちゃんとの生活は、二人だけの時間を奪うだろうが、守られていると感じる。包容力ある二人と話した後、こちらまで元気をもらった。(咲)
これから相手に期待したいことは?
「人生のすべてを共有すること」(ヨ)
「親友であり、妻であり、愛人でいてほしい」(ジュ)
前回のバカンスは?
「昨年12月、番組のロケでヘルシンキへ。日中、ずっと夜のように真っ暗だったわ。規律が厳しい町ね」(ヨ)
夢のバカンスは?
「ボラボラ島をはじめ、ポリネシアの島すべてに子供連れで行きたいわ」 (ヨ)「子供とリュックをかついでアマゾンへ。でも彼女は贅沢だから、滞在するのは5つ星ホテル」(ジュ)
最近、二人で行ったイベントは?
「映画も演劇も行ってないな。昨年10月、ヨアケ考案の料理のデモンストレーションを見にサロン・ド・ショコラへ」(ジュ)
お気に入りのレストランは?
L’écailler du Bistrot(22 rue Paul Bert 11e 01.4372.7677)
「貝柱のカルパッチョ、ひらめbarbueのシャンパンソース、オマール海老のサラダなど、とびきり新鮮な魚介料理」(ヨ)
カップルとしての満足度を5つ星でいうと?
★★★★「妊娠中で彼女中心の生活になっているから」(ジュ)
★★★★★「5つ星でも足りないくらい。彼をホテルにたとえると、最上のパラスよ!」(ヨ)
お揃いのスーツケース。 旅行番組「Le Goût du voyage」では、 常に世界中を飛び回っている。