フランスとドイツが共同出資しているのテレビ局Arteは、新しい視点からの哲学、地理、歴史番組、世界各地のルポ、普通のテレビ局では放映されそうもないテレビドラマ、映画も知られていない無声の作品からや巨匠の名作までと充実。そして音楽番組にも力を入れている。
クラシックでアバドが指揮するルツェルン祝祭管弦楽団によるブルックナーの交響曲の全曲演奏を聞くことができるのもArteならでは。ヨーロッパでのロックやエレクトロの一番新しい動きを知ろうと思ったら、MétropolisやTracksという元気な番組もある。そしてジャズやワールド、ブルースやソウル、フォークファンにとって待ち遠しい週一のランデブーが、このOne shot Not。プライベートなコンサートという落ち着いた雰囲気で、前後にインタビューをはさんで、毎回何人かのミュージシャンやいくつかのバンドがライブ演奏。司会は、スタジオドラマーとして、ポップ、ワールド、ジャズと何でもこなし、最近は天下のECMからもリーダーアルバムを出しているマニュ・カッチェ。
これまで登場したミュージシャンは、スティング、デヴィッド・バーン、マーカス・ミラー、ヤン・ガルバレク、セザリオ・エヴォラ、サリフ・ケイタ、ゴンザレス、ザ・キルズ、ソウル・ウイリアムズ、アンナ・カルヴィ…。新作のプロモーションということもあるのだろうけれど、なかなかすごい。前回もジャズボーカルのカート・エリング、ナタリー・ウィリアムズでとてもよかった。カッチェが「ボクもちょっと演奏していいかな」といつも共演してしまうのが玉にきず。なかなか商売上手な男です。(真)
*Arte 土13h、再放送は日の01hごろ。