今年に入り、遅まきながら不況が出版界を直撃。フランス出版協会Syndicat national de l’éditionの代表は「この傾向が続けば2500軒ある本屋のうち、5年後には1000軒がつぶれる」と不安を吐露。だがそんな中でも児童書だけは現状維持をキープし、健闘を続けているという。
2010年は国内で5651冊の新刊が出て、出版総数の5分の1にあたる9032万冊を売り上げた。昨今は特に幼児向け本やぬり絵、しかけ絵本や子供向けアート本の人気が高く、また新しい作家もぞくぞく登場しているという。
今回のオヴニーは、子供だけに楽しませるのはもったいない児童書の大特集。恒例のモントルイユの見本市や、おすすめの本&本屋など、児童書の世界を楽しむためのヒントを紹介したい。豊かな児童書の世界は、ちびっ子やパパ&ママはもちろん、『星の王子様』や『異邦人』の次に読む本がわからないというフランス語学習者をも、両手を広げて迎えてくれるはずだろう。(瑞)
写真・文:林瑞絵