ユーロ圏諸国の首脳は7月21日、ギリシャの財政危機に対する新救済策で合意した。2010年5月には3年間にわたる1100億ユーロの融資が決定されたが、今回の新救済策の融資額は1580億ユーロ。返済期間は最低7年から最低15年に引き延ばされ、金利も4.5%から3.5%へと緩和された。民間金融機関も救済に加わり、国債を引き受けている銀行や保険会社などは1350億ユーロ(うち540億ユーロを2014年までに)の支援を約束している。
フィヨン首相が22日に明らかにしたところによると、ユーロ圏による融資は欧州金融安定化基金EFSFを通じて行われるために、フランスの国家財政に直接には響かないが、間接的には2014年までに150億ユーロが国庫にのしかかってくるという。そうなると、2013年までに財政赤字を3%にするという目標の実現がいっそう困難になるのは明らかだろう。さらに、財政危機がアイルランドやポルトガル、ギリシャからイタリアやスペインにも飛び火していることで、ユーロ圏全体に信用不安が広がりつつあることは大きな懸念である。(し)