地震・津波・原発…。

「世界の終わりだと思った」という見出しの3月12日付リベラシオン紙。
「世界の終わりだと思った」という見出しの3月12日付リベラシオン紙。

 1世紀に1、2度しか起らないというM9の巨大地震が3月11日、三陸沖を直撃、津波の猛威が仙台市から海岸沿いの市町村まで総なめにのみ込む情景を全世
界のテレビが放映。フランスの日刊紙も連日「破滅的津波」「この世の終わり」「死者の地」「原発の脅威」「新チェルノブイリ」「悲嘆と不安」…と被災地の
大写真を一面に掲載。菅首相の言う「第2次大戦以来の危機」は全世界を震撼(しんかん)させ恐怖に陥らせている。
 巨大地震と津波で家、家族をな
くし、広島・長崎被爆地でのように行方不明の家族を探しつづける遺族、食糧を求める住民の列、放射能を避け避難所に集められた人びと…。唯一の被曝(ひば
く)国が「核の平和利用の原発」の放射能にさらされている。16日テレビでの天皇陛下の被災者への励ましのお言葉に、昭和天皇の玉音放送「耐え難きを耐
え、偲び難きを忍び…」を重ねた人は少なくないのでは。
 12日から福島第1原発で順に1号、3号、2号、4
号機と燃料棒が露出、次々に水素爆発し建屋が吹っ飛び、高濃度放射物質が飛散する中で自衛隊ヘリによる海水投下、消防車による放水…山火事か民家の消火作
業を見せられているよう。東京電力責任者にとってはすべてが「想定外」だったようだが、1951年創立の東電の「隠蔽(いんぺい)体質」、規制当局・保安
院と政府の対応の鈍さ、意思疎通不足や相互不信感が露呈。
 東北地方に集中する自動車・電機など主要工場の大半が被災し生産停止、日本経済の先行きが危ぶまれる。数日後も各地で強度の余震が続き、放射能を避けるため東京人の関西への疎開、仏人、中・韓国人在住者の日本脱出組が急増。
 
日本は、米国(104基)、フランス(58基
)に次ぐ原発国(55基)。世界の地震件数の20%を占める日本で、三陸沿岸に25基、被災地付近に15基!
福島第1原発の1、2、3号機とも70年代初期に建設されたもので津波は高さ5mまで、地震はM7までの耐震建築だという。東日本大地震は震度M9、津波
の高さ23m! まさに「想定外」の天災だった。「絶対安全な原発」とうたわれてきた日本の「安全神話」が2分で崩壊 !
 地震発生翌日、ベッソ
ン・エネルギー相は何度も「事故であり原発の惨事ではない」と表明、コシウスコ=モリゼ・エコロジー相も原発の大惨事を無視するかのように「原子力は良い
エネルギーで安い」と原発妄信発言。60年代から武器輸出国だったフランスは、今日世界に冠たる原発リーダー国(電力の75%をカバー)。サルコジ大統領
は原発ビジネスマンと呼ばれるほどインドや中国など新興国への売り込みに懸命だ。が、原発反対グループ「原発から脱出 Sortir du
nucléaire」を始め欧州エコロジー党代表らが「原発の賛否を問う国民投票を !
」と叫べば、「日本の大震災にかこつけた不謹慎な発言」と眉をひそめる政治家も。仏国内での原発の「想定」惨事としたらテロリストによる爆破かジャンボ機
の直下墜落事故くらいだそう。仏国内で原発への危機感・拒否感情が生まれるのはいつか…。(君)