●Bas Princen
©Bas Princen
オランダ人写真家、プリンセンが撮った、カイロ、イスタンブールなどの建築写真。上から見ると紙の家のような、建設中のレンガの建物の中はゴミだらけ。よく見ると家畜の群れもいる。廃墟のような古い家の隣に立つ、ツギハギのモダンな建物、砂漠にヌッと立つガランとしたショッピングセンターとその駐車場…アンチ・ドリームランドのような写真だ。12/18迄(月休)。
Institut Néerlandais : 121 rue de Lille 7e
●Lapita, ancêtres océaniens
ニューギニアとポリネシアの間で、紀元前1400年から600年にかけて発達したラピタ文明。100年前にヨーロッパ人神父が発見した陶片をきっかけに、発掘が始まった。細かい点をつないだ独特の模様は、この地域の工芸品に引き継がれている。台湾から海を渡って来た人たちが作った文明という、想像力を刺激される展覧会。1/9迄(月休)。
Musée du quai Branly : 37 quai Branly 7e
●La France de Raymond Depardon
©Raymond Depardon/Magnum photos/CNAP
ドキュメンタリー映画も撮る写真家、レイモン・ドパルドンが、なんの変哲もないフランスの地方の風景を撮った。パン屋、タバコ屋など、どの地方と特定しにくい平凡な風景から、胸が詰まるほど人の暮らしと人生が感じられる。
1/9迄(月休)。
Bibliothèque François-Mitterrand :
Quai François-Mauriac 13e
●Forme ELLES
ケルテス、ブラッサイなどハンガリー人の著名写真家から現代の作家にいたるまでの、女性のヌード写真展。1階は、現代作家の作品展。たくましい筋肉と女性的な顔立ちのミスマッチが不思議なスポーツ選手の写真が、強い印象を与える。1/15迄(日月休)。
Institut Hongrois : 92 rue Bonaparte 6e
●Giuseppe De Nittis (1846-1884)
©Pinacoteca Giuseppe de Nittis, Barletta/ Photo : Pierluigi Siena
マネと同時代にパリで活躍したが、死後忘れ去られたイタリア人画家。社交界の集いの場面、家族の肖像のほか、噴火中のヴェスヴィオ山や、その後取り壊されたチュイルリー宮殿など、記録的な意義もある風景を描いた。ジャポニズムの影響を受けた日本画風の扇子絵の中には、エキゾチスムを脱したものも。1/16迄(月祭休)。
Petit Palais : Av. Winston Churchill 8e
●Louvre invite Patrice Chéreau
〈Les visages et les corps〉
舞台演出家、映画監督のパトリス・シェローが選んだ身体と顔をモチーフにした作品が、観客を見つめる。作品を通して自分の身体との対話もできる。隣室では、シェローが手がけた舞台のクロッキーを展示。視聴覚室Salle audiovisuelleでは、この展覧会のためにナン・ゴールディンが構成した未発表の作品が見られる。1/31迄(火休)。
ルーヴル美術館
●Louise Bourgeois
バルザックの小説「ウージェニー・グランデ」の主人公に自らを重ね合わせたルイーズ・ブルジョワが綴った苦悩の言葉と作品。ブルジョワが、いかに権威的な父につぶされずに生きようと努力したかがよくわかる。まったくブルジョワのことを知らずに行っても面白くない。ポンピドゥ・センターの「ルイーズ・ブルジョワ展」を見た人におすすめ。作品は少数で見ごたえもないが、父と娘の心理的な葛藤について考えさせられる。2/6迄 (月祭休)。
Maison de Balzac : 47 rue Raynouard 16e