Le Mans– こだわりのリエットを求めて、ルマン


フタに小さな穴があいているのにお気づき? 湿った空気が大敵なので、ある程度空気を循環させ、表面をしっかりさせるのが目的。

24時間耐久自動車レースで知られているルマンは、リエットの名産地でもある。リエットは、豚肉を煮込んでペースト状にした惣菜で、バゲットとの相性が抜群。新連載の1回目は、絶品リエットを作る店があると聞き、ルマンへ。
駅からほど近い商店街にある〈La boucherie Dézécot〉は、昔ながらの自然飼育畜産にこだわり、近くの畜産家が成長促進剤などをいっさい使わず、時間をかけて大切に育てた素材のみを扱う。「工業化されすぎた畜産物との一番の違いは味です。特に豚肉と鶏肉はその違いがはっきりと出ます」というオーナーのドゥニさん。彼のリエット(2.5€~)は、肩肉、背肉、モモ肉の3種類を、その日売り切れる分量だけ8時間煮込んで毎日作る。コクと旨味が凝縮され、味わい深いながらもなぜかさっぱりとして飽きがこない。リエットのついでに、美しい旧市街も散策。パリからの半日旅行です。(高)

La boucherie Dézécot :
183 bis rue Nationale 72000 Le Mans
02.4384.6886  www.boucheriedezecot.com
火~金8h-12h45/15h30-19h30、土8h-13h/15h30-19h。 日月休。


●コンクール金賞のリエットの名店〈Hervé AUMAILLE〉

少し脂身をひかえたレシピのリエットが人気のシャルキュトリー。リエットコンクールの常連店で、何度も金メダルを受賞している。清潔感あふれる店内にきれいに並ぶお惣菜は、さながらパティスリーのガトーのように色とりどりで、ついつい目移りしてしまう。ガチョウのリエットもあり、テリーヌやハム、牛タンのアスピックも絶品なのでぜひ試してほしい。併設するレストランでは日替わりの定食が。明るく親切なマダムとのおしゃべりも楽しい。
リエット2.05€~
8 rue du Pré, 72000 Le Mans  02.4328.0166
火~土7h30-13h15/15h-19h30
日祝8h30-12h30。月休。


●心あたたまるビオレストラン〈L’épicerie du Pré〉

気持ちのよいテラスの脇には、オーナーのエマニュエルさんの作る野菜や果物が育つ。すべての食材は半径100キロ以内から直接仕入れ、パンやワインの生産者の情報が誰でも確かめられるような心くばりも。ブッフ・ブルギニョンやミックス野菜のスープなど、トラディショナルなメニューもさっぱりモダンにアレンジ。地ビールやコルムcormeという、梨に似た木cormierの実で作る食後酒もおすすめだ。16世紀の建物のキッチンはいつもあたたかい空気であふれている。昼は一品7.7€、夜はサラダ7€~。
31 rue du Pré, 72000 Le Mans  02.4323.5251
12h-14h/19h15-22h30。日月休。


●中世の街並が美しいルマンの旧市街

古代ローマ時代の遺跡や、16世紀の組み木の家、かつて織物業で財をなしたブルジョアの豪奢な邸宅などが、素晴らしい保存状態で残る旧市街を散歩してみよう。ルマン駅北口からUniversité方面行きのトラム(1.35€)で、Eperon-Cité Plantagenêt下車。坂道を登って旧市街へ。ルネサンス時代にはジャック・ペルティエらプレイヤード派と呼ばれる詩人・文筆家が集った。サンジュリアン・デュ・マン大聖堂に到着するころには気分は中世にタイムスリップ。


◆ルマンへは、パリ・モンパルナス駅からTGVで約1時間(片道約29€~51.6€)。
La boucherie Dézécotは駅から徒歩約7分。

◆観光局(Maison du Pilier Rouge):旧市街のちょうど中央にあるPlace du Hallaiに。

◆マルシェ:大聖堂からPaderborn大通りをはさんだ反対側のJacobins広場では、水、金、日にマルシェが立つ。