10月4日に住宅ローン監視局が公表した調査によると、フランスの住宅ローンの平均金利は今年9月時点で3.3%と、戦後最低の水準となった。2008年末の5.07%に比べると急激な低下だ。
一方で、住宅の価格は上昇し続けており、パリではこの1年間で15%も上がって、1平米当たりの平均価格は7410ユーロ。リヨンやリールでもそれぞれ5.6%、3.65%と上昇している。買い手にとってはつらいところだが、低いローン金利とローン諸条件の改善のおかげで、住宅ローンの申し込みは好調のようで、2010年第2四半期の住宅ローン総額は350億ユーロに上り、最も落ち込んだ09年第1四半期の倍以上に達し、2010年のローン総額は1400億ユーロと予想される。住宅価格上昇とローン金利の低下を享受しているのは、家やアパートの買い替えをする人たちだ。値上がりした住宅の売却で多額の頭金を手にし、ローン金利低下によって楽々と新たなローンを組めるというわけだ。金利が下がっても価格が上昇したのでは庶民には到底手が届かない買物だが、住宅業界にとっては朗報だろう。(し)