演出家のパスカル君がこの店に連れて行ってくれた。その時食べた、イカのピスタチオ風味ファルシ!パスカル君がとったイカスミのリングイネも絶品だった。この店のご主人ロベルタさんはシシリア島出身、魚介類の繊細な扱いにうなってしまった。「シンプルな食材を使っているけれど、昼の、13ユーロ日替わりコースも味わうべきだよ」とパスカル君から電話が入った。
アントレには〈parmigiana〉と〈マテ貝のサラダ〉をとった。〈parmigiana〉は、ラザーニャの、パスタのかわりに焼いたり揚げたりしたナスを使ったような一品だが、ここのはまろやかでいながら重くなく、ナスやトマトの風味が生き生き。〈マテ貝のサラダ〉は、柔らかくゆで上げられたマテ貝に、ビーツの若い葉の軽い苦みがアクセント。粗塩が時々歯にあたる。いっしょに飲んだワインは、ロワール地方シュヴェルニーの赤(1/2ピシェで16ユーロ)。ここの豊富なワインは、すべてナチュラルワインです。
メインは〈timbale de riz aux épinards〉とサバのホイル焼き。〈timbale de riz aux épinards〉は、リゾットのようでいながら、ごはんが(きっとトリガラのスープで)さらっと炊いてある。たっぷり入ったホウレンソウの酸味とパルメザンの相性がいい。サバの方は、レモンと白ワインで焼かれた身がとろけるようだ。このサバに、こりっこりっとした歯ごたえのブラックライス、しゃきっとしたビーツの若葉を一皿に並べた演出が、ロベルタさんならではの心配りだ。
日替わりの魚介類を中心にしたアラカルトをぜひ味わってみたいという人は、夜出かけましょう。ワインによるけれど、一人40ユーロ前後です。(真)
マテ貝のサラダ
44 rue Léon Frot 11e 01.4356.3866
M°Charonne
土昼・日昼・月火休。夏休みは8月8日から。
