欧州鉄道会社、市場開放でしのぎを削る

 欧州連合EU域内の鉄道輸送自由化が正式に導入されて6カ月。鉄道会社の競争が激化している。
 民営化し合理化を進めているドイチェバーン(ドイツ鉄道=DB)が6月半ば、仏国鉄(SNCF)の国内都市間列車や夜行の赤字路線への仏政府援助を非難すれば、SNCFはドイツの鉄道市場は「理論的には開放されているが、実際には非常に複雑」と応酬。SNCFの子会社ケオリスが狙っていた英バス・鉄道会社アライヴァをDBが買収したことや、DBが2012年ロンドン五輪を目指してロンドン=ドイツ間の超高速列車の運行を目論んでいることも両者の反目材料だ。
 一方でトレニタリア(旧伊国鉄)は、仏ヴェオリア・トランスポール社と提携して進めているパリ=トリノ=ミラノ間の高速列車運行計画が、鉄道輸送自由化に関する政令が発布されないために遅れていると仏政府を批判。SNCFの方は伊民間鉄道会社NTVに資本参加し、伊9都市を結ぶ高速列車網を2011年にスタートさせる。各国の国鉄が隣国の民間と提携して市場拡大を繰り広げるという複雑な図式のなかで、各社が激しい火花を散らしている。(し)