★★★★Michel Glasko
今夏で3度目の日本公演に先がけ、アコーデオン奏者ミシェル・グラスコが、ジャック・タチに捧げる新作『Michel Glasko/Pour Jacques Tati』をリリース。タチの作品から『のんき大将』、『ぼくの叔父さん』、『ぼくの叔父さんの休暇』、『プレイタイム』の中の曲を取り上げている。タチのコメディの雰囲気を損なわず、鮮明な輪郭と繊細な色彩感、そして絶妙なバランス感覚を持って演奏、『Au Drugstore』”などで後半に向けぐんぐん盛り上げていく。最後の曲 『Epilogue pour Jacques Tati』は、グラスコのオリジナル。手回しオルガンのように聴こえたり、教会オルガンにも聴こえてきたりして、クラシック・アコーデオン奏者ならではのデリケートで美しく磨かれた音色とひらめきに満ちた表現。最後の2曲で、伝統と現代感覚とがとけ合い、アコーデオンの表現力がより拡大されている。50年代を思わせるレトロ調のジャケットもいい。(南)