6月11日、南アでサッカーW杯がスタート。某ハイパーなどは、薄型・大画面テレビを買った人は、フランス代表が優勝した場合、全額返却される、とテレビの購買熱をあおる。というのもフランスが優勝する可能性は少ないと見込んでいるからなのだろうか、と勘ぐる人も多い。それほど、W杯予選でのフランス代表の試合ぶりは、ぱっとしていなかったのだ。ドメネク監督への批判も後を絶たなかったが、そんな中で、豊富な運動力、適切なポジショニング、正確な長距離パスで評価が高かったのが、ミッドフィルダー、ジェレミー・トゥララン選手(27)だ。それでいながら同選手、「リベリやグルキュフ選手はアーティストだけれど、私はサッカーの職人さ」と謙虚さを失わない。
1983年ナント市で生まれる。航空業界のフライス工でサッカーの大ファンだった父から、サッカーの手ほどきを受け、小学校を卒業した9歳の時に〈FCナント〉チームの、デシャン、ドサイなどミッドフィルダーの名選手が巣立っていた養成所に入学。19歳の時に、欧州チャンピオンズリーグの対バイエルンミュンヘン戦で、〈FCナント〉選手としてデビュー。
2006年5月にオランピック・リヨンに移籍金700万ユーロで移り、同チームの一部リーグ5、6連覇に貢献する。「リヨンに移るまでは、家族と一緒にいることができたから、心のバランスを保つことができたんだ。リヨンに移ってからは、家族と離れた妻(中学校時代の同級生)にも辛いことも多いにちがいない」。今年のW杯、トゥララン選手の攻守の要(かなめ)としての活躍ぶりが期待されている。(真)