10号線の西側の終点、ブローニュ・ポン・ド・サンクルー駅へ。駅を出るとすぐ近くに、庭園で有名なアルベール・カーン博物館がある。4ヘクタールの敷地には、フランスや英国庭園、果樹園やヴォージュ地方風の森があり、とりわけその見事な日本庭園が訪問客を喜ばせている。博物館の入口で入場料を払い、庭園へ抜けるとそこは別世界。鎌倉か京都の古寺の一角ような日本家屋と庭園が現れる。古い木材の匂いといい、とてもフランスにいるとは思えない。他の来場者たちも、物珍しさであちらでパチリ、こちらでパチリと記念写真を撮っている。庭は非常によく手入れされていながらも、自然のままにしているところも多く、ところどころにスミレなどが自生していてなごむ。こころなしか、小鳥たちの歌声も元気いっぱいだ。庭園をぐるっとひと周りすると、ベンチのあるフランス庭園以外でも、切り株に腰掛けるなどしてお昼を食べている人たちを見かけた。この気持ちいい空間で、考えることはみんな同じ。さっそく隣のパン屋Didoosで買ってきたサンドイッチを頬張る。あぁ、いい気持ち。 暖かな日差しのもと、至福の時を過ごした後は、博物館を見学。開催中のブルターニュ展も興味深いが、感心したのが、FAKIR という検索システムが設置されたコーナー。ここでは、1908年から1930年にかけてアルベール・カーンが私財をはたいて世界各国へカメラマンを派遣し撮影させたという映像ライブラリーが瞬時に検索できる。日本の映像では、1927年の大正天皇の大喪の様子を見た。ほんの80年ほど前の東京なのに、見知らぬ風景が新鮮だ。(里) お店情報はこちらから
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Musée départemental Albert Kahn
Parc de Saint Cloud サンクルー橋を渡ってこの公園に向かう場合は、橋の左側を行かないとたどり着けないので注意。 |