パリの美術学校で検閲。

 2月13日から21日にかけて、パリの美術学校Beaux-Artsで、1年越しに準備されていたロンドンとシンガポールの美術学校主催によるグループ展が開催された。13日の10時30分、中国人の造形作家コー・シウ・ランさん(32)は、セーヌ岸に面したボザールの正面に、幅1.2m、長さ7mの幕を垂らした。その幕には表裏に一字ずつ「TRAVAILLER」、「PLUS」、「GAGNER」、「MOINS」とプリントされていた。サルコジ大統領のスローガン「Travailler plus, gagner plus 今まで以上に働いて今まで以上に稼ぐ」をもじったもので、「Travailler moins, gagner plus 」とも読めてしまう。ボザールのアンリ=クロード・クソー学長は、「公共機関の中立性を侵害する」という理由で、アーティストやこの展覧会の責任者クレール・キャロリンさんの同意を求めずに、その日のうちにこの垂れ幕を撤去。 これに抗議したキャロリンさんは「この作品はフランスの大統領をからかっている、という返事しかもらえなかった」
 しかしこの検閲に一番驚いたのはやはりコーさんだ。「フランスでこのように強引な検閲が行われるということに直面して辛い気持ちだ。話し合うという余地は一切なかった。すべて私には秘密にことが運ばれた。それもフランスでも一番古い美術学校で、アーティストたちの自由な表現を推進すべき美術学校でのことなのでますますショックを受けた」
 マスコミでこの事件が大きく扱われてしまい、あわてた政府は、14日ミッテラン文化相を通して、垂れ幕を再び取り付けるようにボザール側に要求した。(真)

コー・シウ・ランさん