見苦しい工事現場を、アート作品や写真などをプリントしたシートで隠すのは昨今の流行。パリ・マドレーヌ広場にある改修工事中の〈チェルッティ〉の建物は1月19日から巨大な抽象画でおおわれている。
作者は、幾何学模様を使った作品で、すでに抽象画の世界では知られた32歳の若きニューヨーカー、デイヴィッド・マレック。高さ7m、全長31m、グレーと黄色の微妙なトーンのストライプを重ね、ひし形のモチーフをベースにした作品は、図柄も色も派手な工事隠しのペインティングが多いなか、周囲の建物にしっくりと溶け込んでいる。地味なせいか、道行く人たちはとくに作品に目を留めることなく、淡々と通り過ぎているような…。6月まで設置されているので、排気ガスで汚れる前にお早めにご鑑賞を。(し)