2009年春に成立した公共オーディオビジュアル改正法に則り、国営フランス・テレビジョングループの各局を統合する持株会社が1月4日、正式に発足した。グループの再編には労組が強く反発しており、話合いの期限で6月7日ぎりぎりまで抗議運動が頻発するだろう。特に大規模な再編が予定されているのは「フランス3」局で、現在の24ある地方局はウェブ上では残るものの、4つの中心局に統合される。また、グループ内各局のフィクション、ドキュメンタリー、バラエティーといった各部門の責任者は廃止され、部門ごとに1人のコーディネーターが各局の番組構成を管理する。労組は、再編に伴う大規模な配置転換を懸念しており、900人規模の希望退職募集もすでに開始されている。
政府は、再編の結果、2009年度で4430万ユーロに上るグループ全体の赤字を2012年には解消することを目指している。いくら民放と張り合っても、視聴率はF2が16.7%、F3が11.8%と、TF1の26%にはるかに及ばない。公共放送の使命も、民間に匹敵する視聴率も実現できない公共テレビには厳しい冬の時代が訪れそうだ。(し)