●脱獄者が週刊誌に手紙を送る
オセール刑務所から9月8日に脱獄し、逃走中のジャン=ピエール・トレベール容疑者(45)が、週刊誌マリアンヌに手紙を送付、17日にインターネット版に掲載された。手紙には収監者カードの原本が同封されており、容疑者の書いたものと思われる。同容疑者は、俳優ローラン・ジローの娘ジェラルディーヌ・ジローとその友人の女性2人を殺害した容疑で2004年11月から勾留されていたが、犯行を否認しており、手紙には「もう刑務所には耐えられない。自殺寸前だった」と告白し、「裁判には出頭する」と書いている。容疑者はトラックのダンボール箱に隠れて脱獄した。
●弾丸入り脅迫状の容疑者が自白
サルコジ大統領や政府閣僚などに、殺害を予告する弾丸入り脅迫状を送った容疑で、9月20日に南仏ベジエ近くで51歳の失業者の男性が逮捕され、犯行を自白。22日から勾留された。脅迫状は2009年初めから計30通送られ、最近も大統領、クシュネール外相、ミッテラン文化相らに送られていた。男性は射撃クラブに所属しており、クラブ会員全員にDNAテストが実施され、脅迫状に貼られた切手から検出されたDNAが男性のものと一致した。動機は明らかにされておらず、精神障害が疑われるため、精神鑑定が予定されている。
●クリアストリーム裁判をめぐって泥仕合
9月21日にパリ軽罪裁判所で開始したクリアストリーム裁判をめぐって、被告のドヴィルパン前首相とサルコジ大統領の泥仕合が展開されている。ルクセンブルクの金融機関クリアストリームに隠し口座を所有する、サルコジ大統領を含む政治家リストを捏造した罪を問うこの裁判の被告は、前首相、欧州航空・宇宙企業EADSのジャン=ルイ・ジェルゴラン元副会長、EADS元社員のイマッド・ラウ被告ら5人。前首相が裁判はサルコジ大統領の陰謀と非難したのに対し、大統領は「予審判事は犯人を裁判所で裁くことを決定した」と犯人扱いの発言。これに対し、推定無罪に違反したとして大統領を提訴すると、前首相の弁護士が応酬。公判は10月23日まで。
●修正ダウンロード規制法が最終成立
インターネットによる音楽・映画の違法ダウンロードを規制する「Hadopi2法案」が、上下両院での可決を経て、9月22日に最終成立した。同法案の初案は5月に成立したが、6月に憲法評議会がインターネット切断を司法でなく行政当局が決定するのは違憲との判断を下したため、修正法案が提出された。Hadopi2では、違法ダウンロードが発覚すると、1度目はメール、2度目は書留郵便で警告を受け、3度目になるとインターネット上作品普及・著作権保護高等機関(Hadopi)が検察に書類を送り、判事が書面で判決を下す。罰則は最長1年のインターネット切断と罰金1500ユーロ。重大な違反の場合は罰金30万ユーロと3年の禁固刑。社会党は憲法評議会に提訴する予定。
●カレの不法移民キャンプを強制排除
9月22日、カレにある不法移民のキャンプが治安当局によって強制排除された。このキャンプは英仏海峡をフェリーで渡る貨物トラックが通る幹線道路近くにあり、英国に渡る機会を狙っている700~800人の不法移民が住んでいた。大部分はアフガニスタン人。ベッソン移民相が16日に強制排除を発表しており、数百人はすでにキャンプを離れ、当日は278人(うち未成年132人)が拘束され、成人は逮捕、未成年は施設に収容された。同じパ・ド・カレ県のサンガットにある赤十字移民収容所が2002年に閉鎖されてから、カレに移民が流れ込んでキャンプができた。
●修正案でサイエントロジー解散可能に
上院は9月23日、サイエントロジー解散を不可能にする法律条項を廃止する修正案を可決した。この条項については、司法官組合が9月15日、国民に知られないまま5月に成立していたことに対して抗議し、この件について国会調査委員会の設置を要求。これを受けてアリオ=マリ法相は事務処理上のミスによるものとし、何らかの措置を取ると約束していた。問題の条項は詐欺を犯した法人の解散処分を禁止するもの。一方でパリ検察局は詐欺事件の裁判で6月にサイエントロジー解散を求刑しており、判決は10月27日に出る予定。