映画界の重鎮、クロード・ミレール監督にインタビュー。

 30年以上にわたりコンスタントに作品を発表し続ける映画界の重鎮、クロード・ミレール監督。批評も興行も大成功をおさめた『Un Secret』(07)、初のドキュメンタリー作品『Marching Band』(09)と昨今の活躍も目覚ましい。今回はフランスで公開されたばかりの最新作について話を伺った。

最新作『Je suis heureux que ma mère soit vivante』のストーリーは?
 育ての親がいるのに「産みの親を探す」という考えのとりこになってしまった男の子が主人公。彼は20歳くらいになり、産みの親と育ての親の間で二つの人生を歩むようになる。まるで妻と愛人がいる人生のようだね。それは皆に対して問題を生む。ある偉大なフランス人作家は「幸せな人には物語がない」と言ったけれど、私もやはり興味があるのは「困難な人生を生きる人々」なんだ。
本作での新しい挑戦は?
 これまでの作品よりは写実的な表現にした。作り物ではない生々しさを感じてほしい。俳優は有名な人を使っていないから、ちょっとダルデンヌ兄弟の作風かもしれないな。
『Un Secret』を成功させたUGCと組まなかったのは、そんな渋めのキャスティングのせい?
 いいえ、よそのプロデューサーが持ってきた企画だったからさ。『小さな泥棒』をはじめ、これまで何本か一緒にやってきた人だ。彼が物語の種を新聞の三面記事の中から見つけた。だからこの映画は本当の話がもとになっている。
はじめて実の息子ナタンさんとの共同監督作品だが。
 一緒に脚本を書いたがとてもよく進んだので「一緒に監督もする?」って彼に提案したんだ。撮影中は二人とも満足しないと次に進めないようにしたが、すべて上手くいった。彼は私の家族だけどそれ以前に人間的な信頼を寄せている。もし彼が息子でなくても、この男性とはきっと素晴らしい関係を築けていたはずさ。(聞き手:瑞)