先日、イタリアの友人の家で、アペリチフと一緒に出てきたペコリーノ・ペペラートが、とてもおいしかったので、なじみのチーズ屋さんで買ってきた。主人いわく、ペコリーノはイタリア各地で作られていて、こんな風に黒コショウが丸ごと入っているものは、ローマ近郊やシシリア島で作られているが、これはサルデーニャ島産ということだった。
ペコリーノはイタリア語のpécora(羊の意)からきた言葉で、羊乳から作られるチーズの総称。大きさは直径24センチ、高さ12センチくらいの中型で、乾燥したカーブで3カ月から8カ月ほど、洗われたり強くこすられたり、時には油で軽く着色されたりしながら熟成される。
こわれやすいしっとりとした身を口に含むと、塩味はそれほど強くない。羊乳特有の香りが軽く感じられるがしつこくはなく、バターを思わせる柔らかな風味。だから、たっぷり入っている黒コショウをかりりっと一緒にかじりながら味わうことになる。極上のオリーブ油少々をかけてもうまい。ワインはサルデーニャの赤があったりしたら文句なしだが、ボクは、ポルトガル産ダンのこってりとした赤をお供させた。(真)