11月21日、対立候補セゴレーヌ・ロワイヤル氏を102票の僅差で破って社会党第一書記に選ばれたのはマルチーヌ・オーブリ氏(58)。新たな党執行部のメンバー38人の半数は女性だが、ロワイヤル氏は除外されている。「私たちは敵同士という人が多いけれど、ばかげている。セゴレーヌと私の間に共通点がまったくない、というだけなのに、私が彼女を毛嫌いしていると言われてしまう」
1950年パリで生まれる。父はミッテラン大統領時代に経済相、その後欧州委員会委員長を務めたジャック・ドロール氏。オーブリ氏は、国立行政学院を出て、労働省や国家評議会の事務局に勤務。1981年、社会党のクレッソン内閣で労働相、次いで1997年から2000年にかけてはジョスパン内閣の雇用・連帯相という要職に就き、就労時間を週39時間から35時間に短縮するという、画期的な、そして現在の右派政権がその骨抜きにやっきとなっている法律を成立させた。この法律によって新たに35万人が雇用されたとみなされている。また、フランス人あるいは正規の外国人滞在者は自動的に社会保障の恩恵に浴することができ、収入が一定のレベルに達しない場合は医療費が100%カバーされるという普遍的医療保障CMU制度を施行させたことでも名を知られている。2001年からは、もっぱらリール市長として敏腕を振るっていた。
読書、特に日本文学が大好きで、「人間の狂気とポエジーを融合させている」村上春樹の大ファン。またアフリカの彫刻や民芸品のコレクターでもある。(真)