友人Jは、プレタポルテの世界で活躍するスタイリスト。現在は今夏に産まれた息子のため育児休暇中。妊娠6カ月で行わなければならない託児所の登録に一歩出遅れてしまったことは、ミニベビーブームが続く現在のパリでは致命傷。すべての託児所からあっさり断られて、両親は両方とも遠方でなかなか簡単には頼れないし、旦那の仕事は朝も夜もないくらい忙しい。あげくの果てに相性の合う子守りnounouにも出会えない。とくれば残るは自分しかいない。やるならとことん子供と付き合いたいと今は育児に没頭している。思うように外出もできないけれど、そこはとことんポジティブ思考な彼女、以前から気になっていたインテリアのアイデアの数々を試す絶好のチャンスと考えた。
明るい気持ちになれるようなお部屋にしたいと、最初に取りかかったのは、白いだけで面白みにかける壁のリタッチ。カラーペイントを施したかったけれど大家からダメ出しをくらい、壁紙も同様に許可が下りず「じゃあ、布しかないってこと!?」と冗談混じりに壁に布を貼り付ける方法を思いついた。
これが予想以上の効果を生んだ。貼り方は、好きな柄の布をサイズに合わせてカットして、端を折り込み、小さい釘を四方角に打ち付けるだけ。壁全体ではなく部分的だからこそアクセントになる。布のメリットは、色や柄の選択が無限大にあること、チープに簡単に模様替えが可能なこと。「これから冬に向けて暖かみのあるボルドーなどに替えるつもり。息子の部屋はブリンブリンにしちゃおうかなぁ(笑)」(凛)