11月20日、教員ストが全国で行われ、教員組合によると、小学校で69%、中学・高校で50%以上がストに参加。
組合は、来年予定の13 500の雇用削減、〈学業困難児童への特別支援網RASED〉の縮小化、理系科目、地理歴史や選択科目の縮小など中学・高校のカリキュラム改革、教員試験や採用方法の改革などに反対している。
●処女性詐称の結婚無効判決を破棄
ドゥウェ控訴院は11月17日、妻が処女と嘘をついていたために結婚を無効としたリール裁判所の判決を破棄した。同裁判所は4月1日、処女と偽っていた妻との結婚の無効を求めて提訴した夫の訴えを受け入れ、処女性についての嘘を民法第180条に照らして「根本的人格に関する過ち」と判断し結婚を無効として、物議をかもした。ところが、控訴審では、処女性は「根本的人格」には当たらないとして、一審の判決を破棄した。結婚を無効としたい当事者夫妻には、破棄院に訴えるか、離婚するかの方法が残されている。
●ドヴィルパン氏、軽罪裁判所に書類送検
クリアストリーム疑惑の一環で、ドミニク・ドヴィルパン前首相が、偽造誹謗(ひぼう)文書で他人を密告したとする〈誣(ぶ)告罪共犯〉容疑で、2009年に軽罪裁判所で裁かれることが11月18日に決定。この事件は、台湾へのフリゲート艦売却に関する不正手数料疑惑の捜査上で、ルクセンブルクの金融会社〈クリアストリーム〉に不正口座を所有する人物リストのCDが浮上。それを入手したとされるEADSの元重役ジャン=ルイ・ジェルゴラン氏らと共謀して、前首相が政敵サルコジ大統領らの名前をCDに書き込ませ、予審判事に2004年に渡したという疑い。前首相は関与を否認しており、公平な裁判を受ける権利を、大統領が職権を乱用して妨害していると非難している。
●ヴェイユ氏、アカデミー・フランセーズに
11月20日、シモーヌ・ヴェイユ氏(81)がフランス語の保存を目的とする栄誉あるアカデミー・フランセーズの終身会員に選出された。1974年、ヴェイユ氏はシラク内閣で保健相に就任、「ヴェイユ法」と呼ばれる法律で人工妊娠中絶を合法化したことで知られる。1993年までに何度も大臣に就任、欧州議会議長、憲法評議会評議員などを歴任。同氏は1927年ニース生まれ。ナチス・ドイツ支配下の1944年にアウシュヴィッツ強制収容所に送られたが生還した。
●DALに12000ユーロの罰金
パリ違警罪裁判所は11月24日、昨年パリの公道にテントを設置した罪で居住権保護団体DALに12000ユーロの罰金を科す判決を下した。DALは昨年12月にパリ2区のラバンク通りに300以上のテントを設置し、移民家族のために適正な住居を求める運動を展開した。DALは、「テント撤去は政府との合意のもとに行ったのに、後になって訴えるとは許せない。控訴する」と発表。また、レザンファン・ド・ドンキショットには罰金は科せられなかったものの、昨年ノートルダム大聖堂近くに設置したテント198張りの没収が言い渡された。
●国営テレビ改革に抗議運動
国営テレビを再編し、CMを段階的に廃止する法案が国会で審議されるなか、11月25日、改革に反対する国営テレビ・ラジオの職員がストを行った。国営フランス・テレビジョンでは職員の40%がストに参加したため番組の入れ替えがあった。国営ラジオ〈ラジオ・フランス〉でも15%の職員がストを決行。政府は、フランス2、3、4、5、Oの5局を1局にまとめ、2009年1月からは20時以降のCM廃止、2011年末にはCMを全面廃止する改革を予定している。
●フランス核実験被害者への補償、立法へ
モラン国防相は11月26日付パリジャン紙上で、1960~96年にサハラ砂漠と仏領ポリネシアで行われたフランスの核実験で健康被害を受けた人に国が補償するための法案を1月に国会提出すると述べた。補償対象となる放射能に起因する疾病(白血病、甲状腺ガンなど)のリストが作成される。核実験被害者団体は国に補償基金の設立を求めてきたが、国はこれまで核実験は健康に害がないとする姿勢を崩さなかった。