アニメ映画は人気漫画原作が無難とされるなか、児童文学が原作である本作品。江戸時代に暮らす河童クゥは、偶然から現代の日本へ再生を果たす。数百年を経た世界では、小学生コーイチの家の居候に。さあ、クゥは人間界に馴染めるのか? そして、他の河童に遭遇できるのか?
タイトル通り、クゥ&コーイチのひと夏の温かい交流が描かれる。でもそれだけではない。いじめの問題、大マスコミの威力、キジムナーや座敷童子ら精霊の存在…などなど、作り手の細やかな視線に、目を開かされる場面が多い。大人にも鑑賞をすすめたい秀作。相撲好きでブス可愛いクゥのキャラも光る。対象年齢は6歳~とされるが、7、8歳からが無難だ。(瑞)

Recommandé:おすすめ記事
-
『 Black Box Diaries 』日本公開されない、オスカー候補のドキュメンタリー。
-
第50回セザール賞授賞式 『エミリア・ペレス』が7冠。クラピッシュの演出で視聴率も回復へ。
-
【シネマ】〈自然〉を切り口に宮崎駿を再発見 『Miyazaki, l’esprit de la nature』レオ・ファヴィエ監督インタビュー。
-
【シネマ】『The Brutalist』ファシズムから逃れ、資本主義に出会う人間の物語。
-
第18回キノタヨ映画祭、『あんのこと』に最高賞!役所広司、映画への思いも
-
【シネマ・展覧会】シャンタル・アケルマンの、現代アート作家としての仕事も振り返る「Chantal Akerman Travelling」展