A la recherche de Joséphine

 2002年。ハリケーンのカタリーナに見舞われたニューオリンズの街に浮かぶゴムボートの上で、一人の老人が若い娘に昔の思い出を語る。奴隷制度、人種差別、ジャズの誕生、優れたミュージシャンや美しい娘たちでにぎわったクラブ…。そこに、ジョセフィン・ベーカーが主役で一世を風靡(ふうび)したレビュー『Revue n夙re』を再現するため、人材を求めパリから来たという男が通りかかり、娘をオーディションに誘う。
 『ジョセフィン・ベーカーを探して』と題されてはいるが、ベーカーはあくまで話のきっかけで、アフリカ系アメリカ人の歴史や文化を綴りながら最後に伝説のレビュー再現にたどりつく、という作り。演出は国立シャイヨー劇場やオペラ・コミックを指揮してきたジェローム・サヴァリで、音楽と歌と踊り、そして笑いに溢れた約2時間の公演だ。自らもサキソフォンを吹くサヴァリが愛してやまないジャズ、彼の昔のカンパニー〈Le Grand Magic Circus〉のあの賑やかでちょっとギラギラしたキャバレーの雰囲気、悲劇すらも笑いに変えようとする楽天性 …。サヴァリ自身も「自分が演出したミュージカルの中で一番愛着がある」と語るように、彼の芸術がぎっしり詰まった舞台で、サヴァリファンの私としてはとてもうれしい。
 おまけに人材にも恵まれている。ジョセフィンに抜擢される若い娘シンディー役のニコール・ロシェルはこぶしのきいたパワフルな声の持ち主、老いた語り部役のジェームス・キャンベルの圧倒的な存在、そして粒の揃った素晴らしいダンサーとミュージシャンたち…。これこそ「ザッツ・エンターテイメント!」(海)

Casino de Paris : 16 rue Clichy 9e 08.9269.8926 M。Trinite 8月17日迄。
火-土20h、日17h30。27.5€ – 60.5€。