Champigny-sur-Marne
マルヌ川に浮かぶダンスホール。
パリ郊外シャンピニー・シュル・マルヌ市に、週末華やかになるレストランがある。駅前の道を真っすぐ行くと、マルヌ川にぶつかる。橋を渡る時に、左手に川に浮かぶように〈île du Martin-Pêcheur カワセミ島〉と呼ばれる中州が見える。そこに人々でにぎわうレストラン〈Guinguette du Martin-Pêcheur〉が、林の中にひっそりと、森の隠れたレストランの雰囲気をかもしながら建っている。メニューをのぞくと27.5€か22€の2種類のコースだけだが、特徴は魚料理が豊富なことだ。ボクたちは27.5€をとった。アントレには、キュウリウオéperlanという小魚のフライ。日本でいうワカサギのフライのようで、レモンとタルタルソースでいただく。友人はMartin-Pêcheur風サラダ。エビとヤシの芽とグレープフルーツがのっていて、さっぱり味だ。メインに、ボクはウナギのフライにもそそられたが、川スズキsandreのサンセールソースにした。魚料理に赤ワインソースという意外な組み合わせが案外おいしい。友人は、ウナギのマトロット・ブルゴーニュ風。こちらもブッフ・ブルギニョンのように、ウナギを赤ワインで煮込んだ料理で、ウナギの臭みが赤ワインでぬけていておいしい。
Guinguette du Martin-Pêcheurの入り口。アコーデオンの響きが…。
そして、このレストランのもう一つの楽しみは、ダンスホール!食事をしながら、あるいは食事が終わってから、社交ダンスに熱中している人々に心を躍らされる。若かりしころを思い出し踊っている中年カップルが多い。ビシッと着飾っている常連客も多く、ルノワールの絵に出てきそうな雰囲気の社交場となる。歌い、飲み、踊り、会話する。人生を楽しむ熟年のカップルを眺めて、とても和やかな気分になる。隣のテーブルは、誕生日のお祝いで、さらに賑やかさが盛り上がる。
あざやかなステップを披露するカップル。 快い気分で踊ったあとは、マルヌ川岸の散策をおすすめしたい。隣にはペタンク場やカヌーカヤックができる場所もあり、腕に自信のある人はぜひ挑戦を。
白鳥やカモにえさをあげたり、桜の花を見ながら川岸の豪邸を眺めたり、ジョギングやローラーブレードもできたり、のんびりとした週末を過ごすための、マイリストに加えたい。(ポ)
ガンゲットから見える春のマルヌ川。
●RER A線でBoissy-St-Léger行きに乗り、Champigny駅で下車。往復5.6 €。
●Guinguette du Martin-Pêcheur : 41 quai Victor hugo
01.4983.0302 www.guinguette.fr
3月から12月まで週末の12hから深夜02hまで営業。