フランスのDoudou文化を斬る– ぬいぐるみデザイナーに話を聞く。

 Doudou(ドゥドゥ)とは心理学者によると、〈objet transitionnel(過渡期の対象)〉と考えられ、幼い子供を安心させてくれる物を指す。一般的には、「お気に入りのぬいぐるみ(兼タオルになっていることも)」であり、社会的にもかなり認知されている。幼稚園には、子供が家から持ってきたDoudouの専用カゴを備えることも多い。だが一体、Doudouはフランス的な文化といっていいものなのか。パリで一風変わったぬいぐるみのデザインを手がけるマリさんに話をうかがった。

マリさんが手がけるぬいぐるみは斬新です。例えば看板キャラクターのPooki(プッキー)は、ブタにもネコにも見えますね。
 「どうぞ、自由に発想してください。Pookiという名前も、響きが良いのでタイ料理のスープの名前からとっただけです。フランスは論理的な国ですから、『これは何?』と聞きたがる親が多いようです。アメリカで販売した時はそんなことはありませんでした。でも国籍を問わず、子供はいつもありのままに受け入れてくれますね」

どこの国でも子供はぬいぐるみが好きだとは思うのですが、それでもフランスは特にDoudou文化が強いといえますか。
 「はい。人気の高い児童心理学者フラソワーズ・ドルトが、Doudouの意味に言及したことで、文化を後押ししたところもあります。基本的には、女性の社会進出の問題に大きく関わっています。フランスでは働く女性が多いですから、子供にぬいぐるみを与え、母親の不在を埋めようとする面を否定できません。母が子を背負い、肉体的にも親子が密着していられるアフリカ地域では、Doudou文化はほとんどありません」

以前、私の娘が通学路でぬいぐるみをなくしたのに平然としていて、内心「薄情な奴」とガッカリしましたが、今のお話を聞くと、無理してぬいぐるみに感情移入させる必要はないことに気づかされます。
 「私はぬいぐるみに過剰な愛着を持ちすぎるのは奇妙に思えます。ぬいぐるみはしゃべりませんし、親の愛情の肩がわりにはなり得ません。それに『何かを失う』という経験は、人生の一部分でもあります。失うことの意味を親が教えてあげることが大切なのです」

親の役目をぬいぐるみに押しつけ過ぎないように気をつけなければなりませんね。テディベアを手放せないMrビーンのような大人になっても可哀想ですから(笑)。本日はありがとうございました。

(インタビュー:瑞)

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