シラミさん、いらっしゃい。

 覚悟はしていた。「フランスに住む子供はシラミに一度はたかられる」と聞いていたから。でも日本に一時帰国する飛行機の中で、ミラの髪の毛に黒い虫と卵らしきものを発見した時は、やはり相当ショックを受けた。これが噂のシラミファミリーか。よりによってこんな時に、と気分は沈む。友人らに大した土産も買えないばかりが、かわりにシラミをプレゼントするかもと思うと情けない。早速東京に着くと同時に薬局に走り、シラミ退治シャンプーを購入した。これがかなり高価。何日ごとに何ml使えだの指示もうるさい。元来、大雑把な私は使い方もテキトウ。そのせいかシラミの親玉はすぐに消えたものの、卵がなかなか絶滅しない。結局ミラは髪に卵をつけたまま、フランスに戻ってきた。
 この国は、「シラミ先進国」の名に恥じず、シャンプーやスプレーなどの関連グッズが割安で種類も豊富だ。ミラは「スプレーをかける音が面白い」とか「シラミ用クシで髪をとかしてもらうのが好き」とか言って、危機感はゼロ。それに週末など、ジルにミラを預けるとケアを忘れられることも多く、またふりだしに戻る。ついにシラミ戦争も一カ月半を過ぎてしまった。今日も幼稚園から帰ってきたミラは、「仲良しのプリュンヌちゃんもシラミなの」と嬉しそうにしゃべり出す。「それはよかったねえ」。もう正直、どうでもよくなってくる私である。(瑞)

カプラのアトリエに挑戦!
 フランス在住のオランダ人が1988年に考案した積み木がカプラ。そのアトリエは、輪になって座った子供たちにカプラの木片(縦12cm横2.4cm厚さ0.8cm)を見せ、「すべすべしてる」、「単なる木の板」、「長方形」、「軽い」、「いろんなものが作れる」などと特徴を挙げさせることから始まる。私の娘も幼稚園からこの木片に慣れ親しんできたし、今でも時々カプラで何やら積み上げている。けれども形となる前に崩れることが多く、癇癪を起こすこともしばしば。そこで、娘の友だちも誘ってアトリエに参加することにした。
 水曜日の午後に集まった子供たちは約20人。7歳以上と6歳以下の2グループに分かれて何を作るか相談する。私も参加した7歳以上のグループは「宮殿」に決定。けれどもアトリエの真ん中には前のグループが作った「橋」が陣取っている。すると「さあ、壊して!」とおねえさん。えっ、こんな立派な橋を? と思うけれど、この「壊す」作業が思った以上に楽しい。木片を片付けると大きな空間ができた。おねえさんが宮殿の土台を作る。7歳以上のグループは9人だから九角の宮殿。6歳以下は小屋を建てることに決めたようだ。おねえさんは2グループを同時に指導していく。「板の長い辺のほうを立てて」、「緑の板5枚でふたをして」、「縦に立てる時はかならず親指と人差し指で板をつまんで」。宮殿は次第に形を見せてくる。窓の作り方、屋根の作り方に「そうか!」と感心したり、「中に落ちた板は絶対拾おうとしないこと、拾うことで作っているものが崩れちゃったらつまらない」という言葉になるほどとうなずいたり…約1時間後、うず高く積まれた宮殿のてっぺんに板が1本立った。ふーっ、できあがり。娘も友だちも満足の笑顔。(海)

水土(休暇中は毎日)10h30-12h/14h30-16h/16h30-18h。
10€。4歳-12歳向け。

Centre Kapla : 27 rue de Montreuil 11e
予約要01.4356.1338