800ユーロ フランス人の第一の関心事は何といっても購買力pouvoir d’achatで、サルコジ大統領のうたい文句も購買力増だが、フランス人の10%は、1カ月の生活費が一人当たり800€以下。30%は1000€以下。2007年度の月収は手取り平均1850€。1世帯当たりの平均生活費は約2500€。 1880万所帯 |
6380万人 81万6500人 |
●エリカ裁判でトータル有罪に パリ軽罪裁判所は1月16日、1999年の石油タンカー〈エリカ〉の沈没事故で大西洋岸が汚染された件で、荷主のトータル社に過失があったとし、37万5000ユーロの罰金の支払いを命じた。この判決によってフランスで初めて「環境に損害を与えた罪」が認定され、絶滅の危機にある動植物や自然に損害を与えたとして環境団体が損害賠償を求める道が開かれた。裁判所は、タンカーの十分な検査や整備を怠ったとして、トータル社だけでなくタンカーの船主と検査を行った伊船級協会(RINA)にもそれぞれ7万5000ユーロ、37万5000ユーロの罰金を科した。さらに、国や被害を被った県や市町村などの地方公共団体、野鳥保護連盟などの原告に対して合計1億9200万ユーロの損害賠償支払いを命じた。トータル社は控訴する意向。 ●労働法規制緩和に4労組が合意 労働法の規制を緩和する〈労働市場近代化〉計画に主要5労組のうち、CFE-CGC、FO、CFTC、CFDTの4労組が1月17日までに合意した。CGTは合意署名をしない方針。この計画は昨年12月から主要労使団体が協議していたもので、試用期間の長期化(最長8カ月)、無期限雇用契約(CDI)の〈協議破棄〉の採用によって労働裁判所への提訴が制限され、有期雇用契約(CDD)のほかに臨時雇用契約など期限を限定できる雇用契約が容易になるなどが主な内容。 ●アタリ委員会が報告書を公表 ミッテラン大統領の顧問だったジャック・アタリ氏が委員長を務め、サルコジ大統領の命を受けて経済成長促進策を模索する委員会が1月23日、報告書を大統領に提出した。促進策として、教育面では英語・情報処理教育を向上させ、教育・研究レベルを世界トップレベルに引き上げて若者の就職を促すことなどを提案。また、法定労働時間や定年年齢を廃止して労働のフレキシブル化を促し、経済移民の労働許可取得の簡略化、社会保障掛金を軽減してTVA引き上げ、価格の自由化など、経済の自由化・規制緩和を促す内容が多い。これらの政策は政府が準備している経済自由化法案に反映される予定。 |
●被害者救済法案を国民議会が可決 国民議会は1月17日、テロや暴動など違法行為の被害者に対して国が損害賠償を肩代わりすることを定めた法案を可決した。この被害者救済策はサルコジ大統領の公約の一つで、家計収入が法定最低賃金の1.5倍を超えない低所得世帯に対して4000ユーロを限度として被害額を国が支給する。この施策は主に暴徒によって車が焼失されたケースを想定している。また、裁判で科せられた損害賠償金が1カ月以内に支払われない場合も、国が3000ユーロまで立て替える。上院での審議を経て、4月1日から施行予定。 ●公立小学校の最低サービス、開始 教員ストの日に市町村職員などを動員して小学生を学校に受け入れるという〈最低サービス〉が1月24日、初めて試行された。費用が発生する場合はストに参加した教員から差し引かれる給与をこれに充てる。この政策に全国2万2000の市町村のうち1630が22日までに合意。パリ市など左派政権の市町村は教員の分断策と反発。ダルコス教育相は24日、〈最低サービス〉に関して2カ月以内に教員組合との合意が成立しない場合は、法制化に踏み切ると表明した。 ●SG、行員不正で49億ユーロの損失 大手銀行ソシエテ・ジェネラル(SG)は1月24日、トレーダーの不正取引で49億ユーロの損失を出したと発表した。このトレーダーはジェローム・ケルヴィエル氏(31)で、2000年に入行、グループ内のソシエテ・ジェネラル投資金融銀行(SGCIB)の行員。SG会長によると、ケルヴィエル氏は不正に欧州の株式指数先物取引をし、損失を埋めるために次々と自分の権限を越える取引を行っていたとしている。49億ユーロの損失が出るまで発覚しなかったことで今後SGの管理体制が問われることになろう。パリ検察局は26日、ケルヴィエル氏を拘束して事情聴取。同氏は不正取引の事実を認めているが、自分の利益のためでなく銀行のためにやったと供述している。 |