マルセイユ生まれ、ニューヨークに渡り処女作品『The Shade』など長編3作を発表、そしてイスラエルに渡り『Avanim』とこの作品を発表したラファエル・ナジャリは、ユダヤ人監督の中で今一番注目に値するといっていい。 本作品は、エルサレムに生きる一家の家長が突然失踪したことを、息子二人、特に長男がどう受け止めるかに焦点を当てる。父親の失踪は何を意味するか? 死なのかそれとも単なる不在なのか? 祖父や叔父のように「祈る」ことが果たして父親を呼び戻す助けになるだろうか? 脚本はないに等しく即興の演技を重視するナジャリの演出手腕は、無口な少年たちの表情を見ていればなるほど、と納得できる。(海) |
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