
幼稚園側から「ミラは蝶になり踊る」と聞いていたので、私は羽根つき衣装と触覚付きヘアバンドを慌てて用意した。だが当日、衣装は幼稚園側が用意していたことが判明。それでも私を哀れに思った先生は「ステキだからこのままで」と言ってくれた。本番中、触覚はずり落ち、羽は周りの邪魔になったが、踊りを放棄しヤンキー座りを決め込むならず者が続出する中、最後まで踊りきったミラは偉かった。そして踊りが終わったころ、遠方に住むジルが到着。私が間違った時間を伝えていたようだ。許せジル。 その後は親たちがゲームスタンドを担当。お化粧ごっこ、ボーリング、魚釣りなどなど。飲食スタンドも充実。各家庭から持ち込まれたケーキが飛ぶように売れる。私のケーキを買う猛者はいない。
飲み食いしているとミラの親友クララのパパがやって来て、「幼稚園側がいくら売り上げを上げたか知ってる?」とウインク。まあ売り上げは子供たちの日々の活動に還元されるから文句はない。しかし、予算はほぼゼロなのに、親を上手く乗せ、子供は大いに楽しみ、最後に莫大な収入を得る公立幼稚園のたくましさには脱帽。これがフランス特有「システムD(= Debrouille切り抜け上手)」の精神だろうか。(瑞)
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