La Valse des pingouins


 先祖代々靴製造業を営んできた一家の主(あるじ)が、今世紀最高の発明品! と銘打った新製品発売にあたり、地元の名士である侯爵から支援を得ようとホームパーティーを開く。貴族にとりいるのに必死の主、女盛りで色っぽいその妻、妻と不倫関係にありながら主の娘に求婚する技術部長、技術部長に恋する社長令嬢、パーティーの朝婚礼を挙げたばかりの雇用人男女、パーティーのために雇われた旅芸人兄妹、そしてこの集まりの目的というか一番のゲストである侯爵…。さまざまな人間が入り乱れ、おまけに旅芸人兄妹の連れであるゴリラが逃げる、というハプニングが加わり、パーティーはなんだかハチャメチャな様相を帯びてくる。
 2002年に療養所で展開されるコメディーミュージカル『Frou-frou les bains』で大成功をおさめた戯曲作家パトリック・オードクールの新しい作品は、前作と同様に歌あり踊りあり、そしてアクションありの楽しい劇になっている。さらに本作ではピアノ、ドラム、管楽器による生伴奏付き、という大きなおまけがある。現在? 第二次大戦前? ふたつの大戦の間? さもなくば20世紀の初め? と時代設定をあいまいに、新しくてちょっと古びた雰囲気は相変わらず。フランスの懐メロを知らない私には不思議な感じがしたけれど、劇中で歌われる曲にハミングしたりコーラスしたり、という中年層以上の人々がいたのが印象的だった。そういえば、作者であり役者として舞台に立つパトリック・オードクールの容貌も彼の創る劇と同じ、若いのか年をとっているのかなんとも謎なのである。この時代のなさがオードクール劇のよいところであり、普遍性であるのかもしれない。演出はジャック・デコンブ。(海)

photo:Lot

火-金20h30、土18h/21h、日15h30。
15€~40€。
Theatre des Nouveautes :
24 bd Poissonniere 9e 01.4770.5276