我が子を外国人だと思う時。 N° 608 連載コラム 2007-04-15 普段は自分の子が半分外国人ということは特には気にはならない。だが時々ふと、この子は純日本人ではないのだと思い知らされることがある。 たとえば数の数え方。日本人は1、2、3を親指、人差し指、中指、薬指、小指と順に閉じていくが、フランス人は親指から小指に向かい順に指を開いて数えていく。日本人の私から見て特に不自然なのが4だ。小指だけ折りあとの指が伸びているが、そんな難しい芸当は私にはできない。でもフランス式を採用しているミラは、涼しい顔でやってのけるのでなんだか悔しい。悔しさ紛れにミラに向かって、「キャー、ガイジンだー」と言って逃げる真似をするのだが、逆に喜んでもらえる。 とまあ、この程度なら生活に支障がないから問題はないが、少々困ったのがトイレの便座だ。私はフランスの剥き出しの便座が大嫌いだ。第一お尻がヒヤッとするし、衛生的にも疑問が残る。時々便座がなくなっているのも許せない。最近、念願叶ってようやく日本の便座カバーを入手したので、嬉々としてお家のトイレに装着した。キティちゃん柄だからミラも喜ぶに違いないと踏んだ。ところが、だ。ミラは不思議そうに便器に座るなり、「これ変だから取って!」と訴えてきた。彼女にとっては、フランス式便器に直接お尻をのせるのがスタンダードだったのだ。でもこればかりは私もすぐには譲れない。しばらく冷戦が続きそうだ。(瑞) Share on : Recommandé:おすすめ記事 ミラとバカンスに出発した。 当たり前、とは限らない。 限りなく義務に近い寄付。 重過ぎるカルターブル。 スポーツウェアで登校。 ミラがラブレターをもらった。