Grands Corps Maladeー セーヌ・サンドニ県出身、スラムのスター。

 左の欄で取り上げたスラムのスターが「病んだのっぽの体」、仲間内の通称はファビアン。この夏、彼のファーストアルバム『Midi 20』からのプロモーションビデオがテレビによくかかっていた。10月初めにはパリのバタクラン劇場で9日間の公演を行い、連日超満員。
 1977年セーヌ・サンドニ県のル・ブラン・メニル市で生まれる。父は市役所勤め、母は図書館司書だったが、小さい時から読書は苦手で、もっぱらNTMなどのラップを愛聴。長身をいかしてのバスケットボールが得意でプロを目指したが、20歳の時に公営プールで頭を強く打って半年以上のリハビリを受ける。今でも右半身が不自由で杖を離すことができない。26歳の時に初めてスラムに参加。以来その評価は高まるばかりだ。
 「ボクは都会の子供、騒音の子供。ざわめいている群衆が好きだ。笑いや叫びが好きだ」と育ってきた郊外の豊かさを詩にしているが、「多数の車に放火した若者たちと同じ側に立っているんだ」。きょうも郊外の若者たちの頭の中で、ヒップホップとは違った優しい音楽にのって、「病んだのっぽの体」の、どこか憂愁に満ちた詩が渦を巻いているに違いない。(真)

Dico
slam
(スラム 男性名詞)

 パリやリヨンなどの大都市、あるいはその郊外にあるカフェやクラブなどで “slam” の会が頻繁に開かれて、都会の新しい文化現象として注目されている。新しい解楽ジャンルとしてCDも少しずつ出るようになっち。ヒップホップなどの解楽にのりながら詩を朗読し、そのパフォーマンスを競い合うのが “slam” で、米国で盛んになっち “Poetry Slam” が始まりだ。”slameur” のスター、ソウル・ウイリアムズが主演しち映画作品『Slam』が、1998年のカンヌ映画祭で新人賞をとっちことが、フランスでのスラムブームの発端かもしれない。”slam” も “slameur” も、プチ・ロベールの改訂版にはきちんと入っています。(真)